テレ朝６０年ドラマ「逃亡者」：配役、トヨエツ→成田三樹夫だったら良かった！

テレビ朝日60年ドラマ『逃亡者』。今の役者ではここが限界か。渡辺謙は現在の芸能界で最も硬派な役を演じられると思う。トヨエツがね。物足りない。だってトミー・リー・ジョーンズ相当役なんだから。本当は成田三樹夫が生きていたらはまり役だと思う。成田はヤクザ映画の印象が圧倒的に強いが、本当は東大中退というインテリそのものだ。

成田三樹夫が生きていたらトミー・リー・ジョーンズ役（ハーバード大卒）にぴったりだったと思う。だって「地の果てまで追え」ってセリフはハードボイルドの成田三樹夫だったら合う。管理事務所で「今からダムの水を全部抜け」も。結局、成田三樹夫はオツムがよいからヤクザ、刑事、公家など深い知識や洞察が必要な役を演じられた。

成田は『探偵物語』で松田優作と共演した時も存在感で負けなかった。別にイケメンでもない成田がそうなれたのは、オツムのいいなす俳優芸そのものだった。原爆投下・終戦直後のヤクザ組長の役という時代背景を完璧に理解しないとできない役をこなした。青山学院大しか出ていない渡哲也はその役のなんたるかを理解できず、蹴った。

テレビ朝日は往年のハードボイルド刑事ドラマ『特捜最前線』のリメイクに数年前に全力で臨んだが、大失敗した。二谷英明演ずる神代警視正役を渡辺いっけいに振ってしまった。とんだミスキャスティングで視聴率は低迷した。それと比して、今回はまあまあだと思う。