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NHK:さしのべられた救いの手、原爆孤児たちの戦後、モラルペアレント運動=共和党と米陸軍の作戦?

「さしのべられた救いの手~“原爆孤児”たちの戦後~」
0225 2021にNHK- BS1で放送された「さしのべられた救いの手 原爆孤児たちの戦後」。これは広島原爆で孤児となり、米国の精神的な親(モラルペアレント)と韓国の義母から救われた男性二人のエピソードである。

まず米国政府が占領日本で考えたことは安定した親米国家として日本を改造すること。そこに協力した正力松太郎などの文脈もある。広島や長崎は重点対象だったのだろう。この放送では広島の日本人牧師の要請を受け、ノーベル文学賞受賞者の米国女性を介して、モラルペアレント(戸籍を入れない米国の親)という支援運動が広がっていった。本ブログはこの米作戦を企画立案したのは、共和党と米陸軍ではないかと思う。CIAもかんでいるかも知れないが、ごく脇役だろう。共和党と米陸軍は、戦争して破壊した地域の戦後の人心安定を常に気にする。しかも支援は手厚い。米国と似た生活をさせる。この男性もバイオリンを与えられた。若い時の写真では、当時の流行りの七三わけ。男性は苦労して大学まで進学して、音楽教師になった。

本放送で気になったが、広島孤児収容所には、鉄格子がない。しかも刈り込みにあったとも出てこない。去年にNHKが戦後75年を記念して放送した「駅の子」シリーズとは違う。「駅の子」でも出てきたが、また作家の石井公太氏が紹介しているし、朝の連ドラ「エール」でもそうだったが、戦災孤児はすり、置き引き、かっぱらい、ゆすり、たかりという犯罪と切っても切り離せない関係だった。しかし、本放送に登場した原爆孤児の男性(モラルペアレントの支援を受けた)からはそうした雰囲気は感じなかった。実際に放送では、ひもじかったが「捨てられた新聞紙を食べた」と証言した。

「家庭の医学」的な役割となっている「MSD」。本ブログは以前に、米陸軍の啓蒙書だと分析した。化学戦の時の対処法が掲載されている。思えば、戦後には日本人の対米感情を好転させるため、米国から多くの映画やドラマが供給された。そのなかで「セサミストリート」がある。これを調べると、米国のグレートマザーのバーバラブッシュ元ファーストレディに行き当たる。そういうことでしょう。米国は中国に対しても、人心を親米に傾かせるため、豊かな地域では「セサミストリート」を放送した。(作戦は失敗した)

もう一つのエピソードは、被爆直後に広島で韓国出身者に助けられ、戦後ソウルで暮らした男性。ふとしたことから出会った義母に育てられた。義母は日本人に夫を殺害されたが、男性を助けたという。こちらの話は研究を要する。ヒントは男性が日本へ帰国したいと打ち明けた時に、広島市役所などに実に2年半に渡って男性の帰還をお願いする手紙を書き続けたことだ。実際に男性が帰還するときには、新聞ネタとなっており、政治的な動きがあったことを伺わせる。もちろん、冷戦という時代背景もあるだろう。当時の日本は、韓国をとるか、北朝鮮をとるか、揺らいだ部分もある。後者は、朝鮮総連の帰還事業か?政治的になったということは、民団が押したり、朝鮮総連が陰謀したりか?
「“駅の子”の闘い~語り始めた戦争孤児~」