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<論説>フロリダのテロ、「911」再来避けよ-サウジ実習生発砲

911」の再来か。中東系人物が事もあろうに米本土フロリダ州の海軍拠点で銃器によりテロを起こした。どのような思想背景だったかなど詳細はFBIなどの捜査を待たねばならない。だが「911」を連想するのは筆者だけではないだろう。「911」はサウジアラビアの大富豪、ウサマ・ビン・ラディン容疑者が引き起こした歴史的な大事件だった。

今回の発砲事件もサウジアラビア人によるものだ。しかも米国にとってみたらタイミングが悪い。イラン核開発やサウジアラビア石油施設への攻撃を受けて、トランプ政権が中東への米軍増派を検討する、との報道がなされているまさにその時であった。さらにトランプ政権にとって困るのは、現在の米国とサウジアラビアは非常に昵懇なのである。本ブログが記してきたとおりに、イスラエル防衛とイラン封じのため、両国は蜜月状態にある。トルコ人ジャーナリストの殺害でサウジアラビアムハンマド皇太子の関与が取りざたされたが、結局ウヤムヤで終わった。

今回のテロも実行犯がサウジアラビアの軍人であり、国防相を兼務するムハンマド皇太子には一定の責任があるとも考えられる。今後はFBIが粛々と捜査して表面上、収束するだろう。しかし米国に反感を持つイスラム過激派が巻き起こすテロは続くことになるかも知れない。ISの首領だったバグダディ容疑者を米軍が殺害したのはごく最近のことだ。テロは連鎖する嫌な傾向がある。今回の事件を聖戦ととらえた後塵の人物がでないことを祈るのみだ。人が集まりがちな年末年始・クリスマスどきに非常に恐ろしい話題でもある。