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エイベックス:本社売却、リースバックで再入居、キャッシュフロー(1年分の予算)に入れる

12月24日付けで音楽ベンチャー大手、エイベックスはオフィスでの勤務を前提した従来の働きなどの見直しに伴い、本社ビルを売却したと発表した。これは画期的なビジネスニュースであり、社会的影響もあるので本ブログの分析を交えて報じる。

 

同社リリースには「オフィスでの勤務を前提した従来の働きなどの見直し」としている。コロナどうのこうのとは書いていない。つまり働き方改革。でもコロナに伴うリモートワークということは自明なので、取材方には確かめられたし。

 

それと物件の概要。登記簿を登記所で取るのが正統だが、大手メディアはなせそうしないんだろう?公証性はないが抵当関係などは分かる。不動産取材で必須。念のため地目確認は当然か→目的が違っていたら、農業委員会マターにありうる。都会のど真ん中だからそんなことはないと思うが。

(3) 土地面積 5,065.79㎡
(4) 建物 延床面積:28,344.20㎡

 

それと所在地。最寄り駅はどこで徒歩何分か。

(2) 所在地 東京都港区南青山三丁目1番30号

 

物件の名称変更はあるのか。

(1) 資産の名称 エイベックスビル

 

エイベックスは本取引で290億円の特別利益を得る。12月25日付けの読売新聞は”「譲渡益」として290億円を計上し、最終利益は150億円になる見通し”と表現しているが、これでは分かりにくい。

 

仕組みはこう。売却益が290億円であり、貸借対照表の資産ベースにするのではなく、来年期のキャッシュフロー損益計算書)に回すということ。つまりエイベックスといえども、コロナ禍には抗しがたく、とりあえず、お財布に入れておく。

 

通期で売り上げが1500億円前後の企業なので、290億円の譲渡益は大きいと思う。東洋経済は早期に報じながら、このいずれにも言及していない。

エイベックス「虎の子」南青山の本社ビル売却へ | 不動産 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準 (toyokeizai.net)

エイベックスの経営陣は来期以降にかけていることがよくわかる。同社は歌手・バンド系が多く、コロナ禍でライブ自粛が続いていることもあってか、株式市場では苦戦が続いてきた。それゆえ茶化すような報道も過熱したが、それを逆に利用した形。もしインサイダーなどがなければの前提だが経営センスがいいと思う。

 

それから所属歌手・バンド・タレント。これでギャラが下がるとかあるのか。エイベックスと言ったら浜崎あゆみ。浜崎はバブル破綻の後、取引行に3億円規模で寄付かそれに近い行為をしたという。エイベックスの経営に最も大きな影響を与える歌手。

 

最後に「リースバック」で再入居する。青山にある芸能事務所というイメージを壊さないようにする。でもコロナ禍が続けば移転は当然、経営陣・取引行の視野に入る。いやもう頭の体操はしている。 

 

<補1>エイベックスはリリースでも「コロナ」という言葉は一回も使っていないが、特別利益を計上する=偶然に手に入ったお金としている。事実上、会計上は「コロナ」を指している*

 

<補2>東洋経済の上記記事に反論する気はないが、高層ビルというのは(鉄筋コンクリート造でしょ)解体費用がべらぼうな金額になる。だから経営体力が十二分にあるうちにそのビルの売却・解体などを決めておくのが普通。開業2017年12月ということを一部メディアがわずか3年というニュアンスで報じていたが、もう3年なのだ。

不動産は、自社保有ならば減価償却という手もありえるが、それよりも早期に資金化したのだろう。なぜか。コロナの見通しが立てにくい、というか不可能。また青山・六本木界隈にはいわゆる不動産の乗っ取り屋もおり、取引行も体力がある=物件が一定の価値があるうちに売却することを勧めたと考えられる。