中国の世界覇権に異議!

国際情勢の「今」をお届けする!

菅政権が最終的にぶち当たるのは田中角栄の電波利権だ!

10月10日付のダイヤモンドは非常に示唆に富む。地銀再編は百貨店→地方新聞・地方テレビ局へとレベルがアップしていく。きょうの日本経済新聞静岡銀行山梨中央銀行の提携への可能性が出ていた。静岡といえば三菱系地銀の番頭さんで、慎重なビジネスは石橋をたたいても渡らないとされる。しかし地銀再編の最終ゴールはダイヤモンドがみるように時の田中角栄が構築した電波利権だ。テレビ局は県ごとに日テレ・TBS・フジ・テレ朝・テレ東と別れている。この体制は田中角栄が築いたものだ。地方テレビ局の記者は基本的に取材が軽く、遊んでいる。電通博報堂に広告をとってもらって、年収1,000万円を維持している。地方新聞の中には北海道新聞河北新報西日本新聞などちゃんと取材をしているところもあろう。しかし住んでいる場所で3つの新聞が重なることがある。例えば岩手県。東北地方のブロック紙である河北新報岩手日報三陸新報が重なる。もっとも無駄が多いのは、地方テレビ局の海外支局・東京支局・大阪支局などだ。東京支局では銀座の一角に固まって実働しているとは感じない。NHKはするどくもこれを察知した。各地方局の番組を東京の電波で全国に流すようになった。地方テレビ局で自分のテリトリーをこえて放送されること(越境放送)はまれなことだ。地方には東京の人が全く知らないローカルタレントさんが出ている。その代表格が大泉洋であり、北海道のテレビ局制作の番組をチバテレビなどに販売し、一気に全国区となった。安田顕も大泉のメンバーだ。沖縄県の知事もローカルタレントさんあがりだ。地方テレビ局は制作力をつけないと生きていけない。角さんの影響力はもうとっくに絶えていると本ブログは考える。地方でもYotubeやTiki Tok、ネットフリックスを閲覧できる時代だ。むしろTiki Tokなんて地方の若者が中心ではないか。数年前に大阪へいってびっくりしたが、午後7時台は民放全てのチャンネルがプロ野球になっていた。プロ野球におんぶにだっこももう難しいだろう。

 

しかしダイヤモンドが指摘する通り、地銀・百貨店・地方新聞・地方テレビ局を支える人材は地主・校長・消防署長・病院長・特定郵便局長など地元の名士の子弟ともいえる。こうした層は自民党の岩盤支持層ではないか。果たして地銀・百貨店・地方紙の合併は本当に進むかは判断が難しい。実際に山形県では唯一の地元百貨店が倒産し、三菱系メインバンクの山形銀行が処理に四苦八苦している。そうした地方エリート層の没落は日本の国力を根本からうばいかねないとの危惧もある。ベストなシナリオは新興企業が地方に進出するはずだが、家父長制的な制度が残る地方ではなかなか受け入れられない。例えば地方百貨店が消滅し、ドン・キホーテにかわるというような新陳代謝が出来ない。当該号のダイヤモンドは禁持出的な要素もあるが現実である。これを日本のエスタブリッシュメント(総理経験者、経済団体元トップ、元外交官、元裁判官、元キャリア幹部官僚など)が厳然と支持しているからこそ記事になるのだ。これまでの地方エリートでも『アリとキリギリス』的な漫然とした人たちは淘汰される。